FF10でスピラ最大の脅威とされていたシン
ユウナによるとスピラでのシンの活動について以下のようなセリフがある
ユウナ「街が、育たないの」
これはスピラでは人々が増えたり、文明が発展しそうになる度にシンが災いという形で破壊行為を繰り返していたことから語られたセリフ。
シンの行いは”人間の罪”
これはスピラで広く信仰されているエボン教の教義の1つであり、まやかしの1つでもある。
では、スピラを襲い続けたシンは一体どういう存在だったのか?
ストーリーや設定を考慮して考察していきたいと思います。
シンの正体
シンの正体については他の記事でも触れている為、少しだけ説明すると
ザナルカンドを1000年前に統治していたエボンという召喚士が敵国ベベルとの戦争に敗北しそうになった事をキッカケに召喚した巨大な生物です。
シンはザナルカンドとベベルの戦争に終止符を打った存在でもありますが、その後は1000年に渡ってスピラの文明的な発展を妨害し続けてきました。それと同時に、滅びゆくザナルカンドを召喚という形で残していくために、多くの祈り子達にエボンの夢を具現化させて「夢のザナルカンド」を創り出します。
こうして現実の世界(スピラ)では戦争によって滅んだザナルカンドはエボンの娘が究極召喚、すなわちシンを倒す為の手段を伝える場所として遺跡になりますが、シンは転生を繰り返すことでいわば不滅の命を持つ存在でした。
エボンの意識の薄れ
当初はザナルカンドを守るという意志で存在したシンの中のエボンの意識は次第に夢のザナルカンドを召喚し続ける為だけに働くようになってしまいます。
その結果、スピラと夢のザナルカンドという2つの世界の均衡を保つ為にスピラでは文明的な進化を妨害する存在として永らえていきます。
その一方でエボンの正体がシンだと知らないスピラの人間はエボン自身によって破壊が繰り返されているにも関わらず、エボンの教えというエボン教を信仰するように仕向け、管理されてきたのです。
また同じようにユウナレスカも最初にシンを倒した存在として崇められ、スピラの管理に携わります。
全ては夢のザナルカンド維持の為…というようにも見えますが、事実1000年前に戦争で機械兵器が猛威を振るった歴史がありますから夢のザナルカンド維持には機械文明は弊害でしかなかったのでしょう。
シンと究極召喚
シンはユウナレスカが教える究極召喚を使用すると召喚士の命、そして召喚の犠牲となる人間の命と引き換えに一時的に眠りにつきます。
しかし、シンは単なる外殻であり本体はエボン=ジュです。
エボン=ジュはシンを倒した強大な力である究極召喚を媒介して新たなシンとして生まれ変わります。
何故、ユウナレスカが繰り返し究極召喚を授けたのか?
それはシンは”いつか倒せる”存在であるという嘘をエボンの教えとして広く信仰させる為の策略と、大きな力の入れ替わりを行うことによってシン以上の存在は創りださせない、という事に目的があったのではないでしょうか?
召喚を媒介すればエボンは次々と転生し新たなシンとして活動することが可能ですから、シンを倒した人を大召喚士として崇めればこの繰り返しを続けられると考えたのでしょう。
スピラを覆うほどの嘘=シン
結局、シンという存在は=エボンですから、エボン自身のエゴイズムが具現化されたものがシンという存在だったのではないでしょうか?
そう考えるとエボンは世界一のエゴイストだと言えるかもしれません。
ただし、マイカ老師のようにこの繰り返しを本当に正しい世界の在り方だと同調する存在もいれば、シーモアのように自らがシンとなることを望むといった変わった考えを持つ存在も現れます。
シーモアがシンになりたかったのはスピラを実質支配しているのがシンだと分かっていたからでしょう。
絶対的な支配者でありながら、永遠の命を持つ存在。それがシンですから。
余談にはなりますが、シーモアに関してはエボンに成り変わる自信もあったんじゃないかなと思ってます。
それぐらいしつこいくらいに登場するボスキャラですし、力も強い存在でしたからねw