スピラのザナルカンドが滅んだ理由とは?
FF10のストーリーで最初に浮かんでくる疑問、というよりもシナリオ上の重大な出来事。
それはティーダがやってきた知らない世界(スピラ)では1000年も前にザナルカンドは滅んでいるという事です。
リュックと最初に会ったティーダが「ザナルカンドから来た」と言っても、リュックは「そんな事は口外しないほうがいいよ」っとアドバイスをしたり、シンの毒気にやられたんだ…と解釈する場面があります。
ティーダの居た世界はあくまでも「夢のザナルカンド」ですから、歴史が違うのも当然なのですが、何故スピラのザナルカンドは滅んでしまったのでしょうか?
この記事ではスピラにおけるザナルカンドの歴史を考えていこうと思います。
1000年前の大戦
ストーリーを進めるとすぐに分かりますが、スピラのザナルカンドは1000年前に機械文明によって侵攻してきたベベルとの間で大きな戦争を起こしています。
その時代にザナルカンドを統治していたのが召喚士エボンであり、そのエボンがシンを生み出したことと、ユウナレスカが究極召喚を歴史上初めて使用したことによってこの大戦は終結したものと思われます。
しかし、劣勢だったザナルカンドの為にエボンがシンを創り出したのに、何故そのままザナルカンドは滅んだのか?
ここでストーリーの歴史や時系列が少し分かりそうです。
既に”滅んでいた”ザナルカンド
FF10のストーリー上の説明ではザナルカンドが滅びそうになったからエボンとユウナレスカがそれを救った…かのように崇められていますが、そもそもベベルは1000年後も聖ベベル宮としてエボン教の本部が設置されています。
片や、エボン教のいわゆる神様的な存在のエボンやユウナレスカは明らかに遺跡、廃墟となったザナルカンドの人間だった。
この設定には少し矛盾を感じませんか?
これは推測ですが、ひょっとしたらザナルカンドはシンを創り出したのと同時に既に文明国としては残らないほどの傷を負っていたのに、さらにシンによって完全に破壊され、その暴走を止めたのがユウナレスカの究極召喚だったのではないでしょうか?
エボン教はエボンの教えを守りながら(裏はあるにしろ)生活していますが、そもそも大召喚士の1人目となったのはエボンの娘であったユウナレスカです。つまり、シンが居ても居なくても既に文明としては残らない程の損傷を受けていた可能性が高いのです。
滅びは既に決まっていた
夢の中で祈り子がティーダに言います。
「ザナルカンドは滅ぶしかなかったんだ」と。
このセリフを改めて考えると
- ベベルの侵攻により、ザナルカンドの壊滅は既に確定していた
- その後、エボンのエゴにより祈り子の召喚によって「夢のザナルカンド」が生まれた
- シンとなったエボンは機械文明を徹底的に破壊し尽くした
- スピラ全体の脅威となったのでユウナレスカによって初めてシンが倒される(エボン教発足)
こういった歴史の流れを読み取ることが出来ます。
エボンはシンを生み出せるくらいに強力な力を持った召喚士ですが、そのエボン率いるザナルカンドをそこまで壊滅的に追い詰めた当時のベベルの機械文明は想像を遥かに超える規模だったのかもしれません。
結果だけを見れば機械文明はその後スピラでは異端とされますが、数少ないアルベド族がその意志を継いでいるような描写もあります。
ですから、シンの存在自体はザナルカンドを救うことにはならず、ザナルカンドやベベルを含めたスピラ全体の問題に発展したのでしょう。
エボンが理想と考えた「夢のザナルカンド」はガガゼト山の祈り子によって1000年の間保たれていますが、やはりザナルカンドは祈り子の言うようにそもそもが滅ぶ運命にあったのかもしれません。
戦争の発端が何に始まっているのかまでは不明ですが、ベベルの驚異的な機械文明によってザナルカンドは完全に終焉を迎えていたことだけは確実です。
ティーダやユウナ、歴代の大召喚士達はシンという名のエボンのエゴによって哀しい歴史を歩かされましたが、
当時のザナルカンドにも同じように哀しい歴史を感じてしまいますね。