ユウナレスカとアーロンの過去について
*この記事はFF10のストーリーがイマイチ分からない人向けの解説記事になります。ネタバレ要素を含むので注意*
究極召喚を授けているユウナレスカとアーロンには切っても切れない縁がある。
それはユウナの父ブラスカとティーダの父ジェクトと共に召喚の旅を成功させた本編の10年前に遡る。
スピラでは多くの人に「ナギ節」をもたらした英雄として大召喚士の1人となったブラスカだったが、究極召喚を使用することで命を落とし、同じく旅の仲間であったジェクトは究極召喚の犠牲になった。
ブラスカは「今回こそは大丈夫かもしれない」と含みを持たせた薄い希望を語りながらシンと対峙するが、結局シンは消滅せずに復活してしまう。
この時、スピラで繰り返される「死の螺旋」に気付いてしまったアーロンは無謀にもユウナレスカと対峙して瀕死の重傷を負うことになった。
アーロンの過去に秘められた秘密
アーロンはプレイヤー側のキャラクターでは唯一の”死人”である。
通常、スピラで死んだ人間の魂は漂っているうちにモンスターに変化してしまう、もしくは召喚士の手によって異界送り(言い方を変えれば成仏)をして最後を迎える。
しかしアーロンは「究極召喚ではシンは滅びない」というスピラでは絶対に知ってはいけない真実を知ってしまった。
さらにジェクトとブラスカには同い年の子供がいた事、そして究極召喚の際にその子供を2人から託されたことによってそのままの形を維持した死人として10年間過ごしている。
ユウナの事は死の間際にキマリに任せて、自分は夢のザナルカンドでティーダの事を見守ってきた。
言い換えればアーロンはパーティーキャラクターの中で唯一真実を知っている人間であったという事だ。
しかし、ティーダやユウナに対してその”真実”を直接説明する事は一切ない。
それどころか重要な選択は自分自身で選べと促している。
これはFF10の世界観やテーマにおいても重要なポイントであり、「運命は自分で決める」というような意味があるように思える。アーロンだけに限らず、ユウナやティーダ、さらに言えばジェクトやブラスカも自分自身の選択によって人生を終えたからだ。
ユウナレスカの想い
一方、ユウナレスカは1000年に渡って究極召喚を授ける存在としてザナルカンドの遺跡で過ごしている。
ユウナレスカは夫であるゼイオンを犠牲にしてスピラの現状維持とシンの転生システムを作り上げた。
父であるエボンがシンを召喚してまで守りたかったザナルカンドを夢=召喚という形でも残しておきたかったからこそこの繰り返しを続けていた。
ユウナレスカは1000年前にあったベベルとの戦争を純粋に”人間の罪”だと感じているようなセリフを言う場面がある。だからこそ、長い間究極召喚によってスピラと夢のザナルカンドを維持する役目を果たしてきたとも言える。
アーロンの選択
アーロンはそんなユウナレスカが許せなかった。
究極召喚でシンが滅びないことを知っていながら究極召喚を教えていたユウナレスカは
アーロンにとっては大切な仲間の仇になったからだ。
10年前のアーロンは若く、本編とは若干キャラクター自体の性格が違う。本編のようなクールな性格よりも熱血感に溢れたような描写が多い(ジェクトスフィアでその様子は色々と見られる)
その結果、ユウナレスカに挑み、その傷が元で死人になってしまったアーロンではあったが、
ブラスカとジェクトから託された想いはしっかりとティーダとユウナに受け継がせた。
余談ではあるがアーロンは過去にFFシリーズの人気キャラ投票で1位を獲得したこともあるが、こういった裏設定やストーリーを知れば納得出来る。
FF10のストーリーではアーロンという存在は最重要人物の1人であり、物語の導き手でもあるからだ。